こんにちは、クルマガです。
今回は、セラミックカーボンブレーキと純正ブレーキの違いについてお話します。
スーパーカーにやレーシングカーに搭載されているセラミックカーボンブレーキですが、純正ブレーキと比較した際に、どのような違いがあるのか気になった人も多いのではないでしょうか。
もしかするとこの記事を読んでくれている人の中には、
「セラミックカーボンブレーキを付けたい」
と思っている人もいるかもしれません。
ブレーキパッド選びに失敗しないためにも、セラミックカーボンと純正ブレーキの特徴の違いについてきちんと押さえておきましょう!
目次
セラミックカーボンブレーキとは
そもそも、セラミックカーボンブレーキとはなんぞやというところからお話しますね。
簡単にまとめると、セラミックカーボンブレーキは炭素繊維をさらに炭素で強化した、複合素材によるブレーキのことを言います。
主な素材は、名前の通りカーボン(炭素)とセラミックです。
冒頭でもお話ししたように、セラミックカーボンブレーキは主にスポーツカーに搭載されているので、大衆車ではあまり見かけないのが印象的です。
純正ブレーキの種類と特徴
純正ブレーキは、一般的に街中を走っている車に搭載されているブレーキパッドです。
実は、純正ブレーキには大きく次の2つの種類があるのです。
- ドラム式ブレーキ
- ディスクブレーキ
詳しく解説していきますね。
ドラム式ブレーキ
ドラム式ブレーキは、タイヤと共に回転しているドラムブレーキカバーの内側に摩擦材を押し付けることにより、制動力を発生させ速度を減速させるブレーキです。
コストが安く制動力も高いため、一昔前までは主流のブレーキでした。
しかし、現在はディスクブレーキに置き換わってきています。
ブレーキ負荷が少ないリアブレーキに採用されていて、サイドブレーキにも兼用されていることがほとんどです。
ここだけの話、この記事で何回ドラム式ブレーキのことを”ドラム式乾燥機”と間違って書いてしまったかわかりません…。
…そんなことはさておき、次はディスクブレーキです。
ディスクブレーキ
ディスクブレーキは、タイヤと共に回転しているブレーキローターをブレーキパッドで挟み込み速度を減速させるブレーキです。
安定した制動力が得られることから、現在主流のブレーキとなっています。
こちらのブレーキはフロントブレーキに用いられることが多く、スポーツ走行をする車には4輪ともディスクブレーキの場合もあります。
セラミックカーボンブレーキの特徴
セラミックカーボンブレーキはディスクブレーキと同じ仕様で、セラミックとカーボンでできているローター部分をブレーキパッドで挟み込み制動力を得る構造となっています。
つまり、ブレーキの仕様は同じではありますが、使われている素材が違うということがわかります。
セラミックカーボンブレーキのメリット
セラミックカーボンブレーキのメリットは、大きく分けて次の3つに分けられます。
- 超速域での制動力
- バネ下重量の軽減
- 見た目がカッコイイ
こちら、解説していきますね。
超速域での制動力
セラミックカーボンブレーキは耐熱性や耐久性にも優れ、超高速域からフルブレーキの減速でも耐えられます。
そのためサーキットなどで使用されることが多く、主にレーシングカーなどに搭載されています。
バネ下重量の軽減
セラミックカーボンブレーキの重量は、鉄製の純正ブレーキと同じ大きさであるにもかかわらず、純正ブレーキと比較して約50%も軽いです。
そのため加速や減速性能だけでなく、旋回時や、走行時も安定した走りを実現してくれるのが大きなメリットです。
見た目がカッコイイ
何より、セラミックカーボンブレーキは見た目がカッコイイです。
その理由は、セラミックカーボンブレーキは耐熱性等の高さからブレーキキャリパーが通常のブレーキよりも大きめに設定されていることが多いからです。
足回りがとても目立つので、多くの人がカスタムする部分の1つでもあります。
セラミックカーボンブレーキのデメリット
反対に、セラミックカーボンブレーキのデメリットは次の通りです。
- 街乗りメインには不向き
- 部品代がとても高い
街乗りメインには不向き
街中を走行する際の速度では、急制動をしても法定速度以内であればブレーキが焼き付くほどの熱量が出ません。
そのため街乗りメインという視点では、セラミックカーボンブレーキはオーバークオリティとなります。
またセラミックカーボンブレーキは温度管理が難しいので、低速では十分な性能を発揮できません。
セラミックカーボンブレーキは、本当にサーキット走行向きであることがわかりますね。
部品代がとても高い
自動車ユーザーにとって一番ネックになる部分が、コストではないでしょうか。
今ではセラミックカーボンブレーキの普及に伴い価格が少しずつ下がってきてはいますが、純正ブレーキに比べるとまだまだ高価です。
セラミックカーボンブレーキの平均費用相場は常に変動しますが、平均しても新品だと100万円を超えるものが多いです。
スーパーカーであっても、サーキット走行以外ではセラミックカーボンブレーキの真価を発揮する機会も少ないでしょう。
なのでセラミックカーボンブレーキの搭載を検討する際は、慎重に考えることをおすすめします。
純正ディスクブレーキのメリット
では次に、純正ディスクブレーキのメリットを紹介します。
純正ディスクブレーキのメリットとしては、次に紹介する2つが挙げられます。
熱に強い
ブレーキをかけ続けると、熱によって焼き付きを起こして最終的にはブレーキが効かなくなってしまいます。
山道を下るときにエンジンブレーキを積極的に使うのは、このことが要因となっているからです。
しかし純正のディスクブレーキはローターが露出しているため、熱が逃げやすくなり放熱性が高くなっています。
なので、純正ディスクブレーキは比較的熱に強いということがメリットとして挙げられます。
コントロール性が高い
ディスクブレーキは、ドラム式ブレーキに比べて繊細なブレーキの使い方ができるので、ブレーキでの車速のコントロールがしやすいです。
信号などがあることで頻繁にブレーキをかける場面がある街乗りでは、純正ディスクブレーキのコントロール性はとても大きな強みとして発揮されるということがわかりますね。
純正ディスクブレーキのデメリット
純正ディスクブレーキのデメリットは、次の通りです。
- ドラム式ブレーキと比べ制動力が低い
- コストがドラム式ブレーキよりも高い
ドラム式ブレーキと比べ制動力が低い
ブレーキの構造上、ドラム式ブレーキには制動力では劣ります。
そのため、制動力のみで判断するとドラム式ブレーキに軍配が上がります。
コストがドラム式ブレーキよりも高い
ディスクブレーキに必要な倍力装置にコストがかかるため、ドラム式ブレーキに比べコストが高いのも大きなデメリットです。
ここまでで、ブレーキの費用相場は次の通りであることがわかります。
ドラム式ブレーキ<ディスクブレーキ<セラミックカーボンブレーキ
純正ドラム式ブレーキのメリット
ここまでで、純正ドラム式ブレーキのことを一度でも”ドラム式乾燥機”と頭の中で想像したなら、ここからはドラム式のゲシュタルト崩壊が起こること間違いありません。
…話が逸れました。
次は、ドラム式ブレーキのメリットを解説します。
コストが安い
ドラム式ブレーキには自己倍力作用というものがありますが、ディスクブレーキに必要な倍力装置が必要ありません。
そのため、ディスクブレーキと比べてコストが安くなります。
ちなみに自己倍力作用というのは、ドラム式ブレーキに備え付けられた、制動力を倍増する作用のことを指します。
制動力が高い
ドラム式ブレーキは、ディスクブレーキと比べて摩擦材の接地面積が多いため、制動力が高いのがメリットです。
しかし、放熱性が低いのでブレーキを多用しすぎると焼き付きを起こす場合があります。
純正ドラム式ブレーキのデメリット
次は、ドラム式ブレーキのデメリットを見ていきましょう。
ドラム式ブレーキのデメリットは、次の通りです。
- 雨に弱い
- コントロール性が低い
雨に弱い
ドラム式ブレーキは構造上、ブレーキカバー内に水が侵入してしまうと水が抜けなくなってしまうため、内部から錆びてしまうことがあります。
その反面、ディスクブレーキは露出部分が多いため遠心力で水が飛ぶので雨には強いことになります。
雨に弱いと雨天時の走行にも影響を及ぼすので、より慎重な運転が必要とされます。
コントロール性が低い
ドラム式ブレーキは効き始めが唐突(急にブレーキが効くイメージ)であるため、繊細なブレーキングができません。
しかし一気に速度を落としたい時はドラム式ブレーキのほうが制動力が高いでしょう。
まとめ
今回は、セラミックカーボンブレーキと純正ブレーキの特徴を比較して紹介しました。
スーパーカー程の性能があってやっと真価を発揮できるセラミックカーボンブレーキですが、一般大衆車に普及する未来はまだ遠いようです。
セラミックカーボンブレーキの特性上、低速域でのブレーキの効きがあまりよくない(改善はされてきている)ので、市街地を走行する際にはオーバースペックであることに加えて、コストもかかるため今の段階ではマイナスポイントでしかありません。
しかしサーキットでハードなスポーツ走行をする方でしたら十分に性能を発揮できるでしょう。
一般車には純正ブレーキがコスト的にも性能的にも最適なので、スポーツ走行をしない人であれば純正ブレーキで十分です。
あなたの目的に合わせて、ブレーキ選びをしましょうね。
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